「子供のピアノ練習でついイライラしてしまう」「怒ってしまう」
多くの親御さんがお持ちの悩みだと思います。
お子さまのピアノがうまくなってもらいたいのですから、イライラするのも当然ですよね。
でもイライラしても、お子さまのピアノがうまくなるわけではなく、かえって弊害が生じてしまうかもしれません。
今回は、イライラしてしまう子供のピアノ練習とどうつきあっていけばいいか、イライラを劇的に改善する方法について考えてみたいと思います。
この記事はピアノ歴50年のライターさんにご執筆していただきました。
娘は小学校低学年でピアノをやめましたので、その経験を踏まえてお話します。
この記事が少しでも参考になり、お子さまの楽しいピアノ練習の一助になればと思います。
Contents
子供の練習でイライラ怒ってばかり?
子どものピアノ練習でイライラしてしまうのは、みんな同じだと思います。
自分だけがダメなのではと決して思わないでください。
ピアノがうまくなってもらいたいとお考えになるからイライラするし、怒ってしまうのですよね。
では、イライラ怒ってばかりいるのはどうしていけないのでしょう?
ここで、お子さまにピアノを習わせたい目的って何だっただろう?
ということについて考えてみたいと思います。
音大に入れて、ピアニストにという方もおられると思いますが、大部分のご家庭では、「ピアノが弾けたら楽しいだろう」「音楽を趣味にできたらより豊かな人生がおくれるのではないか」というお考えがあるのではないでしょうか。
イライラする原因は、もしかしたら目先の課題ができないとか、お友達が弾けるのに自分の子どもは弾けないとか、長い目で見れば、ほんの些細なことなのかもしれません。
肝心なのは楽しく練習して、お子さまにピアノを好きになってもらい、長い期間続けてもらうことです。
ピアノがうまくならない最大の原因は、やめてしまうことなのですから。
そして、親御さんのイライラの弊害は子供がピアノを嫌いになり、やめてしまうにつながりやすいことです。
子供のピアノ練習でイライラしてしまう理由①
子供のピアノ練習でイライラしてしまう理由を考えてみました。
練習をしない、まじめにやらない
せっかく月謝を払っているのですから、お金がもったいないし、まじめに練習しなければイライラしてしまいますよね。
また、この調子では、いつまでもうまくならないのではないかと思ってしまいます。
子供のピアノ練習でイライラしてしまう理由②
うまくならない、いつも同じところで間違える。
特に同じ曲がいつまでもあがらない場合、焦ってイライラしてしまいますよね。
また、ピアノの先生との関係も気まずくなってしまうのではないかと心配になってしまいます。
子供のピアノ練習でイライラしまう理由③
子供に過度な期待をしてしまっている。自分が弾けなかった頃のことを忘れている。
これは、ピアノが得意な親御さんに多いと思いますが、何でこんな簡単な音符が読めないのだろうとか、うちの子は根性がないなど、お子さまへの期待が大きいだけにイライラしてしまうケースもありますね。
子供のピアノ練習でイライラしない方法!
それでは、子供にピアノを好きになってもらい、長く続けてもらうために、親は練習にどのように向き合っていけばよいのでしょうか。
また上記のイライラを解決するためにはどんな方法があるのか、イライラの理由別に考えてみたいと思います。
子供のピアノ練習への向き合い方
ほめるより先に、ついダメ出しをしてしまいがちですが、ぐっとがまんです。
幼児や小学低学年のお子さまでしたら、リス君のように「ほめまくり」一択でよいと思います。
ピアノに座ったら…
最後まで弾けたら…
レッスンに行ってきたら…
新しい音符が読めるようになったら…
私も、小さい頃はピアノがそんなに好きだったわけではありませんが、ピアノの先生がとにかくほめてくれる先生だったので、何とか続けてこられたのだと思います。
イライラの理由別・対処方法
お子さまの個性によりベストな方法は異なりますので、ご家庭により参考になるものがありましたら取り入れてみてくださいね。
①【練習しない、まじめにやらない-の対処法】
練習時間が長いのかもしれません。
30分はハードルが高くても、10分ならできるというお子さまは多いのではないでしょうか。
なるべく毎日ピアノに触れることを当面の目標にするのがよいと思います。
「たった10分?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、弾けるようになってくれば、時間は伸びていくことが期待できますよ。
お声がけを工夫するなどして少しづつ長く練習できるよう、ご家族でフォローしてあげましょう。
おやつを食べたらピアノを弾く、夕ご飯の前にピアノを弾く、などやりやすい時間に短時間でいいので、毎日続けてみましょう。
やるのが当たり前になってくれると、親御さんも楽ですよね。
指が痛いとか腕が痛いとか、何かトラブルを抱えているかもしれません。
ピアノは、弾き方や姿勢により、指や腕や肩などのいろいろなところに不調がでてきてしまうことがあります。
そのような場合は、まず休ませること、ピアノの先生に事情を説明して弾き方を改善してもらいましょう。
②【うまくならない、いつも同じところで間違える-の対処法】
導入部より後半が盛り上がる曲が多く、難しくなる傾向があるので、前半部分で時間をとってしまうと後半部分がいつまでたっても弾けないということがあります。
弾けない数小節部分だけを練習するのでもよいと思います。
難しい部分は、メトロノームを使ったり、リズム練習が効果的です。
前述しましたが、子供のピアノ練習への向き合い方は、基本「ほめる」でよいと思います。
どうしても弾けないところばかりが気になって、ダメ出しの習慣がついているなら、ほめるところを探すようにしてみてはいかがでしょう。
ピアノは間違えない以外にもいろいろほめるポイントがありますよ。
・姿勢がいい
・譜読みがちゃんとできた
・強弱をつけられるようになった
・テンポを守って弾けるようになった
・音色がきれいになった
・指使いが先生の指示通りできるようになってきた
・ていねいに弾けるようになった
・最後まで弾けた
・気持ちをこめて弾けるようになった
・昨日よりうまくなった など
(他にもたくさんあると思いますので、探してみてくださいね)
どうしてもほめるポイントがなければ「曲がいいね」でもよいですよ。
ほめ上手になって、お互い気持ちよく練習時間を過ごしたいものです。
それでも、イライラしてしまう方は、子供の練習中何か集中できることをあえてするようにする工夫をしてみるのはいかがでしょうか。
親が何かに夢中になっていると、子供も影響されることがよくあるようです。
貴重な練習時間を、お互い有意義に使えるとよいですよね。
③【子供に過度な期待をしてしまっている、自分が弾けなかった頃のことを忘れている-の対処法】
お子さまに期待や理想があっても、その通りにはなりませんよね。
ピアノを弾ける親御さんでしたら、我が子の練習にいろいろ言いたいことがあると思いますが、我慢して見守るようにすると、意外とうまくいくかもしれません。
ピアノはうまく弾くことだけが目的ではありません。
まず、きちんと読譜ができることが大切ですね。
お子さまが楽譜を理解し、弾くためにはある程度の時間が必要です。
あせって、うまく弾くことだけを優先してしまうと、楽譜を考えながら読む時間を子供から奪ってしまうことになりかねません。
何もしていないように見えても、子供はいろいろなことを考えているものです。
大変だった練習を少しでも思い出して、お子さまに寄り添ってあげましょう。
親に聞いてみるのもよいですね。
もし、ダメだった自分を発見したら、ぜひお子さまに話してあげてください。
「お母さん、お父さんもできなかったんだ!」
ということがわかれば、お子さまも安心するのではないでしょうか。
まとめ
今回は、子供のピアノ練習でイライラしてしまう原因や対処法を考えてみました。
私は子どものピアノの学習は、なるべく長く続けるのがよいと思っています。
色々なご意見があると思いますが、10年続ければ、譜読みもでき、演奏の基礎がある程度身につきますので、ピアノが好きであれば自分で続けていくことができます。
また、そのくらいの年齢になると、お友達の影響などで、クラシック以外の別のジャンルの音楽や楽器に興味を持ったりして、音楽の幅を広げていくことができますね。
ただ、お子さまがピアノ嫌いでどうしようもないとか、他にやりたいことが見つかったときは、休む、やめるも正しい選択なのではないかと思います。
ピアノは難しい楽器です。
ぜひご家族で、難しい楽器に挑戦し、がんばっているお子さまを応援してあげてくださいね。
音楽は間違いなく、お子さまの人生をより豊かなものにしてくれます。